実臨床で、ざっとみて、参考にしていただけるであろう内容をまとめました。
1. 食事療法:塩分は可能な範囲で意識して減らすようにだけ伝える。
・減塩が必要な理由は、簡単にいうと血圧は余分な塩分を体の外に出すために上がるからと伝える
高血圧:塩分感受性と本態性高血圧の発症メカニズム|INTERSALT研究からみる因果関係
2. 運動は、ウォーキング1日 8000歩、週3回以上。
追加するなら、下肢の筋トレ
3. 薬物療法は、
・1週間以上の家庭血圧で140/90を上回っていれば開始。
・外来でちゃんと測定しても180/100程度であれば、治療開始しながら家庭血圧測定指示
4. 薬物治療の実施の際の注意点は主に4つ
- ふらつき
- カリウム
- 腎機能
- 過度な降圧
・高カリウム血症時には、ARBやMRを維持しながらロケルマなどのカリウム低下薬を併用する場合もある。併用せずにARBなどを中止してCCBなどだけでいくのでもよい。
・腎機能、つまり、クレアチニンが高いときには、ARBの導入により一過性に悪化することがあるので、少量から慎重に漸増していくのが望ましい。
(テルミサルタン 10mg, バルサルタン 20mgなど)
・過度な降圧をみる場合には、収縮期よりも拡張期に注意。
拡張期は、70mmHg以上を目標に、65mmHgは切らないように調整。
特に、ヨーロッパのガイドラインでは拡張期 70をきらないように提言している。
5. 合剤について
増量していく過程で合剤にするというよりは、併用していって、固定化されている部分を合剤に置き換えるほうが、増量や併用をしやすくはある。
6. 薬物治療の実際
「この記事は医師向けの情報であり、患者さん向けではありませんので、この記事を参考にして、自己判断で薬を変更したり中止したりしないでください」
・CASE1: 心不全の懸念がなく、腎機能・カリウムも気にするほどではない(eGFR > 45, K < 4.5くらい)
ミカトリオを使用する処方
(エンレストを使用しない処方:薬価が高い 1mg = 1円くらい)
(ミカトリオ: アムロジン 5mg + テルミサルタン 80mg + ヒドロクロロチアジド 12.5mg)
- アムロジピン 2.5mg
- アムロジピン 5mg
- アムロジピン 5mg + テルミサルタン 20mg
- アムロジピン 5mg + テルミサルタン 40mg (=ミカムロAP)
- アムロジピン 5mg + テルミサルタン 40mg +ヒドロクロロチアジド 12.5mg
(実際の処方:アムロジピン 5mg + ミコンビAP) - アムロジピン 5mg + テルミサルタン 80mg +ヒドロクロロチアジド 12.5mg (=ミカトリオ)
- ミカトリオ + セララ 25mg or 50mg
- ミカトリオ + セララ + アムロジピン 5mg
- ミカトリオ + セララ + アムロジピン 5mg + メインテート 2.5mg
- ミカトリオ + セララ + アムロジピン 5mg + メインテート 5mg
- ミカトリオ + セララ + アムロジピン 5mg + メインテート 5mg +デキサゾシン 2mg
・CASE2: 心不全の懸念がある(主に高齢者)
エンレストを使用していくことを念頭に置いた処方
注:エンレストの半分はバルサルタンであるため、バルサルタン 80mg → エンレスト 200mgのような感じで変更すると、バルサルタンの用量はほぼ変わらない。
- アムロジピン 2.5mg
- アムロジピン 5mg
- アムロジピン 5mg + バルサルタン 40mg
- アムロジピン 5mg + バルサルタン 80mg
- アムロジピン 5mg + バルサルタン 80mg + ヒドロクロロチアジド 12.5mg
- アムロジピン 5mg + コディオEX (バルサルタン 80mg + ヒドロクロロチアジド 12.5mg) 朝 + ディオバン 80mg 夕
- アムロジピン 10mg + コディオEX + バルサルタン 80mg
- アムロジピン 10mg + エンレスト 200mg 2T
(サイアザイドをサクビトリルに変更) - アムロジピン 10mg + エンレスト + セララ 25 or 50mg
- アムロジピン 10mg + エンレスト + セララ + メインテート 2.5mg
- アムロジピン 10mg + エンレスト + セララ + メインテート 5mg
- アムロジピン 10mg + エンレスト + セララ + メインテート 5mg + ドキサゾシン 1 or 2mg
・CASE3: 腎機能が相当に悪い、カリウムが高い(Cr 3以上、K 5以上程度)
- カリウムが高いだけなら、カリウム低下薬を併用しつつの内服もOK
- ACE阻害薬・ARB・MR・サイアザイド系は使いにくい。
- CCB, βブロッカー, αブロッカーを中心に降圧
- アムロジピン 2.5mg
- アムロジピン 5mg
- アムロジピン 5mg + ニフェジピンCR 20mg 1T 分1
- アムロジピン 5mg + ニフェジピンCR 20mg 2T 分2
- アムロジピン 5mg + ニフェジピンCR 40mg 2T 分2
- アムロジピン 5mg + ニフェジピンCR 40mg 2T 分2 + ドキサゾシン 1 or 2mg
- アムロジピン 5mg + ニフェジピンCR 40mg 2T 分2 + ドキサゾシン + メインテート 2.5mg
- アムロジピン 5mg + ニフェジピンCR 40mg 2T 分2 + ドキサゾシン + メインテート 5mg
