資産の把握とFIRE達成度を測るシンプルな指標

はじめに

私は家計簿をつけ始めたときからExcelで出納管理をしています。
MoneyForwardのような便利なアプリもあり、現在「MF for 住信SBIネット銀行」を併用していますが、Excelで管理を始め、そのスタイルが身についてしまい、そのままEXCELでの管理も行っています。


私のExcelでの資産管理方法

総資産や出納だけでなく、各資産クラス、各個別銘柄の時価も含めて定期的に記録しています。

有料版のMoneyForwardを使っていると、全部半自動で把握できるようですので、EXCEL入力が面倒な人はそれでいいと思います。

具体的には、

  • 銀行と証券会社のサイトからそのときの資産を個人口座などで確認。証券会社に関しては、各銘柄もコピペして、エクセルに一括で張り付ける。貼り付けのページと資産まとめのページを別にしておいて、自動でまとめのページに必要な数字のみまとめるように、セルを調整している。
  • 会社からの給与(手取り)は手入力。
  • 支出は、クレジットカードや口座引き落をMF for SBI銀行で把握し、EXCEL入力、現金払いも適時入力。
  • これらをセル参照などを使用して、まとめのページにコピペや入力すると自動で必要な数字のみ集まるように調整しているので、まとめページをみれば、一通り把握できるようにしている。

これにより、以下の3点が常に把握できます:

  1. 全資産の額と増減
  2. 収支
  3. 累計の入金額と投資による損益
  4. アセットアロケーション(各資産クラスの比率)
  5. ポートフォリオ(具体的な銘柄などの一覧の管理)

目指すのは「バリスタFIRE」

私は、完全FIREであるFAT FIRE(働かずに何不自由ない生活)には届かなくても、基礎生活費は資産所得でまかない、旅行や外食などは働いて稼ぐ──そんな“バリスタFIRE”を目標にしています。

セミリタイアで目指すバリスタFIRE|50代からの働き方と資産形成プラン


資産と手取りなどのシンプルな関係式

EXCELでもアプリでも、何らかの方法で管理すると、資産の増減を把握できます。 全資産の増減は、給料の手取り、株式などの投資資金の時価の変化、投資からの配当、支出から計算できて、それぞれの関係は下のようになります。

(総資産の変化額)=(給与などの手取り収入)+(資産の時価総額の変化)+(手取り配当)-(支出)…式①


FIRE達成可能性の目安

完全FIREを目指す場合、ざっくりと以下の条件が成立していれば、投資からの収入だけで、現在の生活レベルは維持できると言えます。

(資産の総額増加額 × 0.8)+(手取り配当)-(支出)> 0

※0.8倍としているのは、時価総額増加が運用益の増加だと仮定し、実際に現金化するときにその売却益に対する税(約20%)のためです。

支出を引いた後に資産所得の合計がプラスになっていれば、生活維持が可能な状態 = FIRE達成、少なくともその年はFIREできている状態ということになります。

例:年初資産 2000万、年末資産 2200万、配当手取り額 20万、支出 300万  
資産総額の増加額 2200万 – 2000万 = 200万、 
税金処理:200万 × 0.8 = 160万
(資産の総額増加額 × 0.8)+(手取り配当)-(支出): 160万 + 20万 – 300万 = – 120万 
  → full Fireはできないが、月に10万円程度の収入があればやっていける。
    →このくらいならBarista FIREは検討に入れる段階だと思います。


より簡易な指標

簡単に考えるために、先ほどの式

(資産の総額増加額 × 0.8)+(手取り配当)-(支出)

から一旦売却時の税金を無視し、増加するだけとは限らないので、(資産の総額増加)を(資産の時価総額の変化)に変更すると、

(資産の時価総額の変化)+(手取り配当)-(支出)

となります。これが0以上であれば、FIRE達成ということになります。

ここで、先ほどの式①
(総資産の変化額)=(給与などの手取り収入)+(資産の時価総額の変化)+(手取り配当)-(支出)

式①を変形すると、

(総資産の変化額)-(給与などの手取り収入)
=(資産の時価総額変化)+(手取り配当)-(支出)

つまり、総資産の増加額から手取り収入を引いた値がプラスであれば、実質的に資産所得だけで今の生活が維持できている、という一つの目安になります。

総資産額であれば、Money Forwardなどのアプリで確認できますし、手取りの収入は源泉徴収票をみればわかりますので、細かい家計簿をつけていなくても、月間および年間の資産の変化額を、その期間の手取り収入の合計で引き算して、プラスなら、晴れてFIRE達成しているということになります。

例:年初資産 2000万、年末資産 2400万、手取り給料 360万  
株式の時価総額増加額 2400万 – 2000万 = 400万  
400万 – 360万 = 40万 > 0   
給料がなかったとしても、資産は40万円増加、
つまり働かなくても生活できているということになり、FIRE達成できている。


🔹 注意点:税や社会保険料の影響

もちろん、これらはあくまで目安です。

  • 売却時の税金(譲渡益課税)
  • 配当課税(総合課税や申告分離課税)
  • 住民税や社会保険費用と今後の制度変更(金融所得への課税強化の流れ)

など、税制や保険料の取り扱いは今後も変わる可能性が高く、流動的です

その都度、最新の制度を踏まえて計算をし直す必要があります。


🔹 おわりに

これらの数値や式は、完璧な計算式ではなく、あくまで目標や指針のためのものです。

私はこの「(総資産)−(手取り収入)」が、週2-3日の労働で賄える程度の差額になるよう、
日々の支出や投資を見直し、バリスタFIREを現実のものにしていきたいと考えています。

なお、最近パソコンの買い替えに伴い、業務でエクセルを使うこともなくなったので、EXELをやめて、google spread sheetで管理するように変更しましたが、家計簿だけなら、spread sheetの方がやりやすいなと感じています。