はじめに
歳を重ねるとともに、リターンよりリスクを抑えるような資産構成に変化させたいなと思いようになり、50歳を契機にアセットアロケーションをリスクの低いものになるように見直していこうと考えています。
今持っている何かを売って調整するというよりは、オルカンへの新規積み立てを中止して、現金比率を徐々に高めていこうかと思っています。
今は現金比率が少ないのですが、今後現金比率を高めるなら、元本保証やリスクの低い商品を購入していく必要があると考え、調べていくと、定期預金と日本国債が候補としてあがりました。
私は3年固定の国債が良いなと思いましたが、その理由をまとめてみました。
日本国債とは?
日本国債は、日本国政府が資金を調達するために発行する債券です。
利息がつき、期間が終われば元本が返ってくる、いわば「国にお金を貸す」仕組み。
リスクがきわめて低く(=日本政府が破綻する可能性が極めて小さい)、もっとも安全な資産のひとつとされています。
日本政府が存続していても、財政的に厳しくなれば利払いや元本の返済が滞る可能性はゼロではありません。
実際、EU加盟国のギリシャは2010年代に債務危機で実質的なデフォルトに陥りましたし、かつて「南米のパリ」と呼ばれ、先進国並みの生活水準を誇ったアルゼンチンも、度重なる財政危機で繰り返しデフォルトを経験しています。
(日本も、「かつては先進国であった」と言われる時代が来るかもしれませんし)
個人で買える国債と、機関投資家向けの国債
◉ 個人が買える国債
現在、個人投資家が購入できる日本国債は主に以下の3種類です。
種類 | 期間 | 金利タイプ | 備考 |
---|---|---|---|
固定3年 | 3年 | 固定金利 | 期間短めで柔軟性が高い |
固定5年 | 5年 | 固定金利 | 少し長めだが利率は高め |
変動10年 | 10年 | 半年ごとに変動 | 金利上昇に対応可能な設計 |
これらは1万円から購入可能で、どれも1年経過すれば中途換金も可能です(後述)。
◉ 機関投資家向けの国債
一方、銀行や保険会社などの機関投資家が主に取引している国債には、以下のようなものがあります。
- 利付国債(2年、5年、10年、20年、30年、40年)
- 財務省短期証券(T-Bill、割引方式)
- 物価連動国債(インフレヘッジ向け)
- 浮動利付国債(市場金利連動)
個人では原則として直接購入できませんが、間接的に投資信託などを通じて保有することは可能です。
利率の決まり方と商品タイプの違い
◉ 固定金利型(3年・5年)
- 市場の需給や長期金利に基づいて利率が決まります。
- たとえば、2025年7月時点では、固定3年で0.76%、固定5年で0.96%と比較的高水準。
◉ 変動金利型(10年)
- 半年ごとに利率が見直されます。
- 10年固定利付国債の最新利回りに0.66を掛けた値が利率の基準になります。
- この「0.66」という係数は、財務省が制度設計上決定した固定値で、国としての利払負担と個人の投資メリットのバランスを取った結果定めらました。
- 10年変動については少しややこしいので別に説明します。
銀行預金との違い・比較
項目 | 国債 | 銀行預金(普通/定期) |
---|---|---|
元本保証 | ◎(日本国が保証) | ◎(預金保険制度あり) |
中途解約 | ○(1年経過後から可能) | ○(普通預金はいつでも可能) |
金利水準 | △(0.7〜1.0%程度) | △〜◯(ネット定期で0.8〜1.0%) |
流動性 | △(1年ロックあり) | ◎(普通預金は即時引き出し可) |
結論として、普通預金に近い柔軟性を持ちながらも、定期預金よりは一段高い金利が期待できるのが、個人向け国債の魅力です。
中途換金はできる?|具体例で見てみる
◉ 基本ルール
- 購入から1年経過後であれば、中途換金が可能。
- 元本は100%返金される
- ただし、直前2回分の利子相当額は差し引かれる(いわばペナルティ)
◉ 実例:固定3年・100万円で購入、利率0.76%(税引後 約0.61%)
● ケース①:1年2ヶ月後に解約
- 半年ごとの利子:3,050円 × 2回 = 約6,100円
- 解約時:この6,100円が差し引かれる → 元本のみ返金
👉 実質「利息なしで預けていた」状態になる
● ケース②:2年2ヶ月後に解約
- 利子:3,050円 × 4回 = 約12,200円
- 差し引かれる利子:直近2回分 ≒ 6,100円
- → 差し引かれても1年分の利息は得られる
👉 少し得して戻ってくる
自分ならどうするか?
今までは、リスク選好で日本株とオルカンなどのリスク商品を中心に、現金はほぼ生活防衛資金と投資準備資金という意識でしたが、今後は、現金比率を高めていく予定です。
ただ、現金そのものでもつというのはもったいないので、何か低リスク商品に投資する予定です。
定期預金に関しては、自分の開設している銀行口座で1-3年程度の利率の良い商品があれば検討しますが、証券会社で購入できる日本国債の方に魅力を感じています。
10年国債は、現在変動国債しか購入できず、変動の場合は、投資家向けの10年固定国債の金利の0.66倍になるので、それなら3年国債がよいかと思っています。
ひとまず、今の日本では徐々に金利は上昇していく可能性の方が高そうなので、できるだけ短期の国債を買い繋いでいくという方針を取るつもりです。
まとめ
- 日本国債は、安全性が高く、中途換金も可能な低リスク商品。
- 個人が買えるのは「固定3年・5年」と「変動10年」。
- 定期預金は利率の良い商品の銀行口座がなければ、新たに開設する必要があり面倒。そのため、証券会社で購入できる日本国債の方に魅力を感じる。
- 現状の日本では金利は上昇局面なので、できるだけ短期の国債を購入していく方が良いと判断している。