恥の多い投資人生でした
投資歴20年以上。
それなりに長い投資経験だとは思います。株式のスイングトレードを中心に、デイトレード・ドル円・ランド円・信用取引などいろいろと経験しました。
ただ、私はつい最近まで「何のために投資をしているのか」を意識したことがありませんでした。株式投資を始めてから、勉強のつもりで読んだ本もトレードの技術に関するものばかりで、大きな戦略のないまま、ゲーム感覚で株式投資やFXを続けていた日々でした。
しかし、コロナ禍をきっかけに出会ったYouTubeの経済・投資系のチャンネル、特に「リベ大(両学長)」や「じっちゃま(広瀬隆雄氏)」の言葉に目を開かされました。
資産形成は老後のため。株式投資は資産形成の手段。
今となっては、ごく当たり前のこの事実に、自分なりに向き合えたのは、株式投資を始めて15年以上が経った頃のことでした。
あいまいな目的、ゲーム感覚の株式投資
目的があいまいなまま始めた株式投資
新入社員の時、一定額の貯金を続けていけば、いずれある程度の資産になるだろう。その時に投資を始めるよりは、少額から始めて、勉強しながらやっていったほうがいい。そう思って、私は社会人1年目から投資を始めました。
投資といえば、株式投資。
そう考えて、株式投資の勉強をしようと思い、本を何冊か購入しました。ただ、そのほとんどが「トレードの技術」に関するものばかりでした。
一応、『金持ち父さん貧乏父さん』 (ロバート・キヨサキ著)は読みましたが、不動産投資に興味がないこともあり、本の意図をくみ取れず、「アメリカで不動産で儲けた人の自伝」くらいの感想で、何も得ることはありませんでした。
ゲーム感覚な15年間
結局、15年という長い期間にわたって、株式投資でお金持ちになった自分を夢想しながら、投資をしていました。
資産が大きくなった時のためということも忘れ、小さな金額を投資で大きくしてやるんだという、そんな野心に取りつかれ、人生において投資をどのように位置付けるかという戦略もなく、ただ戦術だけを学び、思い返せば、ゲーム感覚で一つ一つの結果に一喜一憂しながら、株式短期売買・信用取引・FXなどハイリスクハイリターンな投資をしていただけでした。
もし、私に投資の才能があったら、このハイリスク投資で莫大な財を築き、有名になっていたかもしれませんが、残念ながらそのような才能は私にはなく、日経平均が加速的に上昇する中でも損はしていない程度の成績で、思いっきりインデックスに劣後していた状態でした。
YouTubeがくれた転機
私にとっての投資をする目的をしっかりと意識できたきっかけは、YouTubeでした。
特に、両学長が運営するリベラルアーツ大学(リベ大)とじっちゃまこと広瀬隆雄氏の影響を強く受けました。
節約・家計簿管理を始めるきっかけになったリベ大
「リベ大」の動画は、今もほぼ毎日みていますが、本当に勉強になります。
さまざまなコンテンツで、資産形成のために必要なことを「5つの力」というキーワードに沿って教えてくれています。
当時、複数の金融機関に口座があり、証券口座も3社分ありました。一言でいうと散らかっている感じで、それぞれの資産額をなんとなくみてはいるものの、合計資産をしっかり把握したことすらない状態でした。また、クレジットカードの使用比率が低かったこともあり、月の出費なんて給料の範囲内という程度の認識しかない状態でした。
(クレジットカードは私の問題というよりも当時社会的に現金払いが多かった)
それを変えられたのは、リベ大の両学長のおかげです。
今は、リベ大の教えに従い、アプリのMoney Forwardで出費と資産管理をほぼ自動で行い、把握しています。また、生命保険も再度評価し、不要だと考え解約。その分を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の購入に回しました。
“資産形成は老後資金のため”と教えてくれた広瀬隆雄氏
もう一つ、強い影響を受けたのが広瀬隆雄氏のチャンネルです。当時は「じっちゃま」というニックネームでYouTube配信もされていて、特に印象に残っているのがこの言葉です。
「資産形成は老後のためにするのだから、真剣にしなきゃだめ」
当時の私には目から鱗でした。今となっては当たり前のこの考え方も、当時は何も考えることなく、お金が増えた減ったとゲーム感覚で株式投資をしていた私には衝撃でした。
今もじっちゃまのXのフォローと、じっちゃまのイズムを強く継承しているばっちゃまのYouTubeチャンネルをみて勉強を続けています。
ようやく見えた「目的」 と 具体的な目標設定
やっと定まった投資の目的
資産形成は老後のため。投資は資産形成の手段。
この当たり前のことを自分なりにしっかり認識できたのは、結局株式投資を始めて15年以上経った頃でした。
第一歩として生活費の把握
どのように実践したかというと、まず、生活に必要な資金を正確に把握することから始めました。ちょうどコロナによる自粛ムードの時期で、飲み会や旅行などもなく、自然と本当に生活に必要なことしかしておらず、基礎的な生活にかかる金額を見直すには絶好のタイミングでした。
老後必要資金の設定 と 投資商品の決定
無理なく、不満なく生活できる最低限の金額をベースに、老後も同様の生活費を想定し、ひとまずインフレを考慮しない状態で年間必要額を算出しました。さらに年金特別便で自分の年金見込み額を確認し、その不足分を資産で補うことを計画しました。
投資商品はオルカン(全世界株式)を中心に据え、年金収入があるため「収入が完全にゼロにはならない」という前提のもと、4%ルール(注)による取り崩しを基本に設定。
(注)
4%ルール:トリニティスタディという過去の株式相場を参考にした研究で、資産の半分以上をアメリカの株式相場を幅広くカバーした投資信託(SP500連動投資信託など)にし、残りはアメリカ債権とした場合に、4%を毎年取り崩しても30年以上持つという経験則。
オルカンのもとである全世界株式連動ETFでは4%ルールの成功率は低下すると言われており、より保守的に考えるのが良いとされる。
老後資産の取り崩し。同じ3%でも、トリニティスタディとモンテカルロシミュレーションでは結果が異なる理由
インフレなしの最低ラインと、平均3%インフレを想定した最高ラインを設け、最低ラインは必ずクリア、できれば最高ラインも超えられる投資計画を立てました。
投資に関しては、個別株の短期売買や信用取引といったものはすべて中止し、長期配当目的で保有していたものはそのまま保有。そのうえで、新規はS&P500連動投信を積立で購入することとしました。ただ途中から、全世界に分散できるオルカンの方が安心かなと考え直し、S&P500投信はそのまま保有しつつ新規の積立をオルカンに切り替えました。
老後どころか、バリスタFIREもみえてきた
現在はオルカンを中心に積み立てを継続しており、シミュレーション上では必要な最高ラインを突破できる可能性が高い状況です。
早ければ50代のうちに資産所得だけで基礎生活費をまかなえ、趣味にかかる費用だけを何らかの所得で補えば生活できるのではというところまできています。
今後は、現在の仕事の勤務日数を減らし、少なめの労働と資産所得で生活する「バリスタFIRE」を目標とするようになりました。
セミリタイアで目指すバリスタFIRE|50代からの働き方と資産形成プラン
15年の投資経験で得た最大の収穫:私に投資の才能はない
15年間の投資経験が無駄だったわけではないのは救いです。
結果的に、私の15年間のアクティブ投資は完全にインデックスに劣後しています。
今でも、何かをみるにつれ、「この投資いいのでは」「これ今買いでは」「これ買っておけば」などなど、このようなあさましいことを刹那に感じることはしょっちゅうあります。
ただ私はすぐに思いなおし、自分を戒めることができます。
15年間の投資で、私に投資の才能はないことが証明されているではないかと。
参考にしている情報源
両学長 リベラルアーツ大学
義務教育に取り入れる必要があるレベルで、お金に関わる重要なことが網羅されている。
資産形成を始めるなら必須のチャンネル。
ばっちゃまの米国株
現在、じっちゃまこと、広瀬隆雄氏はyoutubeチャンネルを終了されており、彼のイズムを引き継ぐ、ばっちゃまの米国株がお勧めです。